椿ヶ鼻 その1
受付を済ませ、すぐに男子Eの選手を名簿で確認する。
マークする選手は2人。
高千穂を圧勝した選手と
高千穂で3位、魔界鉄塔でも断トツに速い軍曹。
午前9時で30℃、スタートを待つ間も
止めどなく汗が流れ落ちる。
脚が小刻みに震えていた。ビビっているのか
武者震いなのか分からなかったが
周りの選手にバレないようにストレッチを
しながら誤魔化した。
そんな事をしているうちに、スタート1分前のアナウンス。
心拍数は既に100を超えている。
そして号砲が鳴り、男子D、E、Hの120人がスタート。
トンネルまで2kmの登りは予想通りハイペースで進む。
トンネル出口で先頭集団は15人くらい。
平坦区間に入るとペースは緩み、集団はギュッと小さくなる。
我慢できずにカッ飛んで行きたくなるほどの
スローペース。
しかし先日の県体予選の教訓を生かし
グッと我慢して集団後方で脚を温存する。
先頭を見ると高千穂チャンプがずっと牽いている。
高千穂の時もずっと先頭を牽いていた。
その自信に満ちた走りを見て
純粋にカッコいいと思った。
この辺から集団内で前後輪の接触が頻繁に起こり、ピリピリムードが漂ってくる。
そして前津江小学校前の登りで恐れていた事が起こってしまった。
つづく