椿の壁
全ては椿の壁を攻略する為の練習だった。
霊山寺の激坂、県民の森の激坂。
誰も寄り付かない坂を、繰り返し登り続けた。
激坂での練習量は、誰にも負けない自信があった。
軍曹の3mくらい後ろに付いて、椿の壁へ突入する。
心拍も脚も、既に限界を超えていた。
軍曹も苦しそうにダンシングを交えながら
登ってゆく。
残り500mの看板、軍曹が少しづつ下がって来た。
アタックをグッと我慢して軍曹の真後ろに付く。
残り200m。右の路肩から嫁さんと息子の声援が聞こえた瞬間、渾身のアタック!!
軍曹を左から抜き、ゴールまで突き進む。
残り100m、今日初めて後ろを振り返った。
軍曹は来ていない。ここで優勝を確信した。
タイム38分52秒(前年−51秒)
高千穂チャンプと握手を交わす。
チャンピオンジャージ!
第4回椿ヶ鼻ヒルクライム
年代別 1位(出走43人)
総合 14位(出走311人)